1959年にIBCスタジオの見習いエンジニアの仕事を得たグリン・ジョンズは、ローリング・ストーンズのロードマネージャーだったイアン・スチュワート(ステュ)と親友で、長い間ルームメイトであった。
当時のイギリスでは音楽関係者も週末は休みを取るのが普通で、日曜日はスタジオが空いていることが多かった。自分たちのセッションで自由に使っていいことになっていたので、ジョンズは友人のバンドのデモ音源をレコーディングするようになった。
その時間を利用すれば様々な実験ができるし、コンソール卓の経験を積めると気づいたジョンズは、「僕が仕切る日曜のセッションはただでスタジオが使えるぞ」と知り合いに触れ回ったのだ。
その言葉に反応してたくさんの若いミュージシャンたちが、スタジオにやってきてレコーディングに参加した。そんな中にキングストンアートカレッジの学生、ジミー・ペイジもいた。
ジョンズはペイジのギターを聴いて、「君ならちゃんと金をもらえるセッションの仕事を取ってあげられるかもしれない」と評価したが、最初は断られたという。収入を得ていることがばれると、奨学金をもらえなくなるという理由からだった。 だが、ペイジは間もなくして、ロンドンではナンバーワンのセッション・ギタリストになっていく。
もともとシンガーを目指していたジョンズは、1962年6月にデッカからレコードデビューしたこともあった。
だが、ブルースやロックの精神が分かるエンジニアとして、台頭してきた新世代のバンドとの仕事が増えて、それまでにはいなかったエンジニア兼プロデューサーとして、フリーランスでオリンピック・スタジオを拠点に活躍するようになった。
そしてストーンズの初期から中期にかけて、数多くのシングルやアルバムを手がけて高い評価を得ていったのである。ストーンズの仕事を長く続けることができたのは、バンドを陰で支えていた縁の下の力持ち、ステュとの強い信頼関係があったからだった。
「アフターマス」
1966年のストーンズのアルバム『アフターマス』は、収録曲が全てバンドのメンバーが作ったオリジナル曲で構成された最初のアルバムだ。
ジョンズはそのアルバムで自分がレコーディングして仕上げた曲、メロディの美しさが評判になった「レディ・ジエーン」を自ら歌って、スペインでシングル盤のレコードを発売してヒットさせた。
このときはストーンズのベーシストだったビル・ワイマンがマネージメント役を買って出たことで、一緒にスペインに行ってテレビ出演を果たしている。
ストーンズではギターとダルシマーを使ったサウンドで、バロック調の雰囲気を出していたが、ジョンズのヴァージョンではダルシマーからシタールにかわったことで、「ラーガ・ロック」な仕上りとなった。
また、ニール・ヤングは「レディ・ジェーン」からそのままメロディを借りて、親友がヘロインの過剰摂取で死んだとき、絶望の淵にいる心情を正直に吐露するために、ピアノの弾き語りでその名も「Borrowed Tune(借り物の曲)」を録音している。
〈参照コラム〉ローリング・ストーンズの曲からメロディを借りて絶望をうたったニール・ヤング

サウンド・マン 大物プロデューサーが明かしたロック名盤の誕生秘話
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